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M&A 事例・コラム

7大業界の将来性を大胆予測|不安定な時代を乗り切る効果的な対策とは

最終更新日:2024-06-23
業界 将来性

コロナ禍を経て生活様式が変わり、人口減少に伴うIT化・DXの促進などビジネス社会に大きな変化がもたらされました。

一つのきっかけで社会全体が変わってしまうことを経験すると、今後のビジネス界はどうなるのか、自分の会社の属する業界の将来性はどうなのか、と不安を感じてしまう方は少なくないでしょう。

ここでは、代表的な7種の業界の将来性を大胆予測し、不安定な時代を乗り切る対策を提示します。

企業経営者の方はもちろん、就活中の方にとっても非常に有益な記事です。

ぜひ、最後までお読みください。

将来性が期待できる業界に共通する特徴

「コロナ」というキーワードによって一変した日本の社会ですが、落ち着きを見せ始めた昨今、活気づいてきている業界も少なくありません。

それらの業界には、以下のような共通項がみられます。

  • AIによる代替が不可
  • 高齢者に対応している
  • 生活に必須
  • コロナ禍が追い風になった

それぞれについて解説します。

AIによる代替が不可

野村総合研究所とオックスフォード大学との共同研究によると、20年後の日本の労働人口の約半分の仕事がAIに代替できると発表されています。

残りの半分の仕事はAIでの代替が不可能ということです。

たとえば、細やかな気配りやとっさの判断には、やはり人間同士の温もりのあるコミュニケーション能力が必要でしょう。

また、想像力を駆使するクリエイティブな仕事は人間ならではといえます。

その人間の想像力が、AIを創造したのはいうまでもないことです。

AIは決して間違わず、そして学習能力が高いため、やがて細やかな気配りや柔軟な思考・創造性も学んでいくのかも知れません。

しかし、人もまた進化します。

AIに任せる仕事と人間にしかできない仕事を適宜見極め、どのように共存していくのかを考えていかなければなりません。

高齢者に対応している

日本の出生率の低下と高齢化は今後も続くのは明白です。

社会全体のインフラも高齢者対応が急務であり、施設やサービスの整備が進んでいます。

介護や見回りなどのサービスだけでなく、高齢者向けのグッズ販売や旅行プラン・宅配サービスなど、すでに高齢者市場は活況です。

今後の展開としても、高齢者対応であるかどうかが事業成功の鍵を握るでしょう。

生活に必須

人が生活するうえで欠かせないサービスや事業を展開している業界の将来性は安泰といえるでしょう。

たとえば、電気・水道・ガス、そして食糧供給の農業や漁業はどんな状況でも需要が見込まれるどころか、社会が苦境に陥ったときにこそいっそう重要性を増す業界です。

また、健康長寿のための医療・福祉業界、移動のための交通インフラなど、生活に不可欠とされる業界は意外と多いことに気付かされます。

コロナ禍が追い風になった

コロナ禍で旅行業者やホテル・宿泊関連施設は軒並み減収、個人商店は廃業に追い込まれ複合ショッピングモールや有名デパートまでも閉店を余儀なくされました。

一方で、巣ごもり消費が増えたためEC・物流・ゲーム・メディアなどの業界が需要を伸ばし、感染対策としての医薬品やマスク・消毒液などはコロナ後も順調な売れ行きを示しています。

リモートでの在宅勤務など、IT業界もコロナによって大いに躍進した業界の一つです。

これらの業界にとってコロナ禍が追い風になったことは確かですが、柔軟に風向きを見極めながら追い風にしていったともいえます。

7大業界の将来性を大胆予測

ここでは、コロナ禍を機に成長した業界と縮小した業界のうち、以下の7種をピックアップしてその将来性を大胆予測します

  • IT(クラウド・DX)
  • 電子部品・半導体
  • 物流・デリバリー
  • 医療・介護福祉
  • テレビ
  • 出版
  • 小売業

それぞれの将来性について解説します。

IT業界

IT業界こそはコロナ禍を機に飛躍した業界であり、将来性は申し分ないでしょう。

しかし、IT業界と一括りにいうものの、事業内容は幅広く、通信インフラや情報処理、ソフトウェア、ハードウェア・Web業界などさまざまな分野があります。

どの事業も好調ではありますが、日進月歩の目覚ましい進化を続けているため厳しい競争を強いられるでしょう。

5Gや6Gへの通信システムの移行によって、機械の遠隔操作やVRによる疑似体験が日常的になれば、他の業界も活性化されるのはいうまでもありません。

IT業界は、他業界をけん引する重要な役割を担った将来性豊かな業界といえます。

電子部品・半導体業界

電子部品・半導体は、ITツールになくてはならないパーツとして今後も需要は伸び続けるでしょう。

IT業界と共に、日本の産業界をけん引する双璧といっても過言ではありません。

半導体業界においてはインテルやサムスン、TSMCなどの外資系に後れを取っている日本ですが、ラピダス千歳工場の試作ラインが2025年に稼働。

2027年から量産体制に入る待ったなしの状態です。

かつては日本のお家芸ともいわれていた電子部品・半導体業界が、再び脚光を浴び始めています。

物流・デリバリー

EC業界の躍進に伴う盛況を見せているのが物流・デリバリー業界です。

人材不足による2024年問題がトップニュースになるほど多忙さを極めているため、堅調な将来性が期待できます。

自動運転やドローン・ロボットによる宅配なども実用化に向けて着々と準備が進められている状況です。

これらITの積極的な活用により配送の無駄が減れば、これまで以上に業績好調になるでしょう。

医療・介護福祉業界

医療・介護福祉業界は、コロナ禍の恩恵をもっとも受けた業界かも知れません。

感染症対策で免疫力が低下したため、長寿社会との相乗効果で健康への意識が高まった方は少なくないでしょう。

今後も高齢者が増え続けるため、高齢者をターゲットにした医療・介護福祉サービスは活発になると予想されています。

また、高齢者の一人暮らしへの見守りサービスや宅配サービス、高齢者向けの旅行プランなど、高齢者に対するサービスや商品は多種多様です。

将来性豊かな一大マーケットといえるでしょう。

テレビ業界

テレビ業界は厳しい局面を迎えています。

なぜなら、動画配信が多様化され視聴者の選択肢が増えたからです。

もはやテレビの情報ツールとしての役割は皆無に等しく、マンネリ化した娯楽ツールと化しています。

特に若者のテレビ離れが顕著なため、将来性を危惧される業界の一つです。

民放は広告収入で成り立っていますが、視聴率が低いため収益はインターネットの動画配信の広告とほとんど変わりません。

今後はネットでの広告費が勝るでしょう。

テレビという媒体に対して、新たな可能性を探る時期が来ています。

出版業界

IT導入とSDGsの煽りを受けたかたちの出版業界は、オンライン出版と紙本による出版で将来性が両極端に分かれてしまいました。

オンラインで購入できる電子書籍や新聞・雑誌の電子版は堅調ですが、紙媒体はペーパーレス化の推進と若者の活字離れによる廃刊や出版社の倒産、本屋の撤退など縮小傾向にあります。

一方で、初版本や絵本・豪華本を欲しがる根強い活字ファンがいることも事実です。

出版社と本屋、電子書籍と紙本、しばらくは共存が続きそうな気配です。

小売業界

小売業界はオンライン販売を手掛ける小売業と、実店舗での販売とに分かれます。

オンライン販売での小売業は堅調、実店舗と並行販売したり副業として出店したりする方も少なくありません。

対して、実店舗のみでの小売業は厳しい状況です。

光熱費や人件費がかかるうえに、すぐに商品を配達してくれる「クイックコマース」の普及によりコンビニやスーパーでさえも縮小が懸念されています。

しかし、信頼性という点ではやはり実店舗が群を抜いた評価を得ています。

その店にしかない特異性や訪ねてよかったと思わせる空間づくり、スタッフの人気などが加味されれば、まだまだ縮小の段階とはいえません。

いずれにせよ、オンラインとの並行販売は避けられないでしょう。

中小企業・小規模事業者が不安定な時代を乗り切る戦略4選

中小企業・小規模事業者がこれからの時代を乗り切るためには、以下の4つのキーワードに留意しておく必要があります。

  • 先回り
  • 「IT」と「エネルギー」
  • ニッチ化
  • M&A

それぞれのキーワードを用いてどのような戦略を展開していくかを解説します。

時代の変化を鋭敏に嗅ぎ取り「先回り」する

時代の変化に対して常に鋭敏であるよう情報収集に努め、新たなビジネスへの着手も考慮しておきましょう。

たとえば、大手家電メーカーのシャープがコロナ禍でマスク製造販売に着手し、大成功を収めた例は記憶に新しいところです。

また、車のバックミラーを製造していたある中小企業は、近年の急速なEV普及を受けてセンサー技術開発に取り組んでいます。

フランスのファッションブランド「エルメス」が世界で初めてカバンにファスナーを付けたのは18世紀後半、乗り物が馬車から自動車に代わったときです。

時代の変化に「先回り」するには、世代を超え、エリアを限定しないフレキシブルなアンテナを張り巡らしておく必要があります。

10〜20代の若者の流行、大企業の掲げる長期的ヴィジョンなどは、近未来予測の指標の一つとして有効です。

「IT」と「エネルギー」を軸にした運営

もはや「IT」なくして業務は回らないといっても過言ではありません。

コロナ禍で自宅待機が増えたのはきっかけの一つだったでしょう。

テレワークが推進され、データのデジタル化が進みクラウドでの共有が当たり前になりました。

同時にSDGsが声高に叫ばれ、資源枯渇を危惧した燃料費の高騰が始まります。

EIA(米国電子工業会)の予測では、原油・石炭・天然ガス価格は2050年まで上昇し続けるとのことです。

「IT」による業務効率が「エネルギー」消費を抑え「省エネ」「自然」をテーマとした商品が注目されています。

「IT」の導入にはコストがかかりますが、地方自治体や商工会にはITアドバイザーが常駐しています。

気軽に相談して、助成金やIT導入補助金など利用できる手段はどんどん使いましょう。

「ニッチ化」による生存戦略

「ニッチ化」とは、他社と競合しないよう隙間(ニッチ)市場を狙って優位に事業展開する戦略です。

二ッチの言葉は生物学に由来し、ある一つの種が利用する範囲の環境要因、「棲み分け」とも言い換えられます。

ビジネスにおいては、競合せず市場の収益を独占できるメリットがあり、狭い市場のため知名度も高くなります。

市場のトップブランドとして新規顧客の獲得にもつながるでしょう。

「M&A」による課題解決

「M&A」は企業が直面するさまざまな課題を解決し、シェアを拡大させる成長戦略です。

企業や業界全体の将来性を憂慮している経営者の方にとっては、もっとも有効な戦略といえるでしょう。

高齢化に伴う後継者の選定と事業承継の悩み、人材不足とIT導入など、現状の課題にさえなかなか着手できていないという企業も少なくありません。

どれだけ高い技術があっても、これらの課題を解決していかなければ企業としての生き残りはもちろん、技術の伝承さえ難しいでしょう。

「M&A」は、こうした課題をひとまとめに解決してくれる成長戦略です。

業務効率化による人材不足の解消、双方のノウハウの交流による技術のさらなる進化、市場拡大はいうまでもありません。

異なる業界による「M&A」なら、新たなサービス展開も期待できます。

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【まとめ】業界の将来性評価は企業にとっては経営戦略の指標の一つ

業界ごとの将来性評価は一般的な見通しに基づいた傾向です。

そのため、各業界に属する個々の企業の将来性を一律に判断することはできません。

しかし、企業にとっては、自社の属する業界の将来性評価は経営戦略の一つの指標となります。

経営者の方には業界の将来性評価に囚われない、広い視野と変化を敏感にキャッチする感性、そして柔軟な想像力が求められます。

広く絶え間なく情報収集に努め、M&Aも視野に入れた企業存続の対策を講じておきましょう。

監修者情報

板井 理
板井 理

2018年度公認会計士試験に合格後、EY新日本有限責任監査法人札幌事務所に入社、その後3年間法定の会計監査業務に従事。
2022年に退職し、2023年に共同代表である笹本 拓実と株式会社PASONを設立。代表取締役に就任し、小規模M&Aに特化したマッチングプラットフォームサービス「PASON」を運営している。