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アーリーリタイアの意味とは?FIREとの違いやメリット・デメリットについて徹底解説!

最終更新日:2024-03-30
アーリーリタイア

最近よく耳にする「アーリーリタイア」という言葉。「早期リタイア」とも呼ばれており、新しいライフスタイルのひとつとして注目を集めています。

以前は「定年退職まで仕事を全うすること」が一般的であり、それが当たり前という風潮でしたが、時代の流れとともにさまざまな選択肢が増えているのです。

しかし、アーリーリタイアすることは、本当にメリットばかりなのでしょうか?また、アーリーリタイアするためには、どのくらいの資産があると良いのでしょう?

そこで今回の記事では、アーリーリタイアの意味やセミリタイア・FIREとの違い、メリットやデメリットなどについて詳しく解説していきます。今後、早期リタイアについて考えている方の参考になると幸いです。

アーリーリタイアとは?

アーリーリタイアとは、日本語で「早期退職」とも呼ばれており、定年を迎える前に仕事を辞めることです。その多くは「30代〜50代」となっており、仕事だけに生きるのではなく、自由な時間を楽しむという魅力があります。

以前は「定年を迎えるまで働くこと」が理想とされていましたが、時代が変わり「プライベートな時間を大切にしたい」という思想が増えてきたことも、アーリーリタイアが増加傾向にある要因のひとつです。働き方改革やテレワークの増加に伴い、今までとは違った形が作られつつあります。

アーリーリタイアとFIREの違いとは?

アーリーリタイアと似た意味を持つ言葉で、FIRE(ファイヤー)があります。この2つの言葉には、どのような違いがあるのでしょうか?

アーリーリタイアは早期退職(早期リタイア)とも呼ばれており、定年退職の時期よりも前に退職し、退職金を受け取ります。

一般的には、退職金を含めた「今後の生活に必要な資金」を確保した後に、そのお金を切り崩して生活を送っていくのです。

その一方でFIREとは、今後の生活に困らない資金を貯めた上で、その資金を減らさずに暮らしていくことになります。

なぜならFIREでの経済的自立は「貯蓄」があることはもちろん「資産運用」を行うことが前提となっているからです。毎月、生活に困らない程度の「資産運用で得られる利益」がある場合には、大きな額の蓄えがなくともFIREすることは可能となっています。

FIREでの収入を得る方法として挙げられるのは「株式投資」や「FX」「不動産投資」です。

アーリーリタイアに向いている人の特徴とは?

アーリーリタイアに向いている人の特徴とは、どのようなものがあるのでしょうか?早期退職は、多くの方が憧れるライフスタイルですが、実際にアーリーリタイアをした人の中には後悔する人がいるのも事実です。

アーリーリタイアに向いている人は、今後のライフプランが明確に決まっている人。単純に、職場の人間関係や仕事にストレスを抱えており、そこから解放されたいという思いで早期退職してしまうと後悔する可能性もあります。

例えば、家族や友人との関係が悪化してしまったり、時間を持て余してしまって無気力になるケースもあるのです。

しかし、退職後に新たな目標が定まっている場合は、充実した毎日が送れることになるでしょう。また、事前にしっかりとした計画を立てることができ、あらゆる事態を考慮したプランを立てておけるかどうかも重要です。

アーリーリタイアの3つのメリット

続いて、アーリーリタイアをするメリットについて解説していきます。メリットは大きく分けて下記の3つです。

  • やりたかったことに挑戦できる
  • 住む場所が自由になる
  • 仕事や人間関係のストレスから解放される

ひとつずつ確認していきましょう。

やりたかったことに挑戦することができる

メリットの1つ目は、やりたかったことにチャレンジできるようになることです。当然ですが、仕事をしていると1日の大半が拘束されることになりますし、急な予定が入ってしまうこともゼロではありません。

今まで、安定した収入を得るために我慢してきた「やりたいこと」に、思う存分チャレンジする時間が確保できるのです。長期旅行や資格の取得・趣味に取り組むなど、新たな挑戦ができるようになります。

住む場所が自由になる

メリットの2つ目は、住む場所に縛られることなく、好きな土地に住めるようになることです。仕事をしているときは、通勤の面を考慮すると、どうしても「会社から通いやすい場所」を選ぶことになります。

しかし、アーリーリタイア後は、住みたかった土地に移住することも可能です。「いずれ、田舎で生活したい」「都会の喧騒に疲れてしまった」という方も少なくないはず。憧れの土地で第二の人生を送れることは、大きなメリットと言えるでしょう。

仕事や人間関係のストレスから解放される

メリットの3つ目は、仕事や人間関係のストレスから解放される点です。「早期退職をしたい」と考える人の多くは、職場や人間関係にストレスを抱えていたり、何かしらの不満がある場合が多くなっています。

もしも、職場やその環境に全く不満がなく、仕事が何よりも楽しいと感じていれば早期退職を選択することは少ないでしょう。

アーリーリタイアをすることで、大きなストレスとなっていた仕事や人間関係から解放されることになります。責任を背負うことがなくなり、精神的に余裕を持った生活を送れるようになるでしょう。

アーリーリタイアの5つのデメリット

アーリーリタイアのメリットについて紹介してきましたが、その一方でデメリットもあります。デメリットは大きく分けて5つです

  • 収入面の不安がつきまとう
  • 社会的信用の低下
  • 時間を持て余してしまう
  • 再就職のハードルが上がる
  • 周囲との関係が悪化することも

順番に確認していきましょう。

資産が減るので不安がつきまとう

デメリット1つ目は、資産の目減りによって不安がつきまとう点です。アーリーリタイアは一般的に、退職後は貯めた資金を切り崩して生活します。

どれだけ綿密な計画を立てていても、予想外の事態が起こる可能性も。例えば、病気になってしまい治療費がかさむこともありますし、自宅の修繕費や冠婚葬祭などの費用も考えなければなりません。

計画通りに事が進むことは限らないので、お金の面で不安を感じることが増えるでしょう。

社会的信用が低下してしまう

デメリットの2つ目は、社会的信用が低下してしまう点です。どれだけ多くの資産を保有していたとしても、会社を退職することによって「無職」の扱いになることを知っておきましょう。

具体的には、クレジットカードの審査に通らなくなったり、大きな買い物をする際にローンが通らないケースも。また、賃貸マンションやアパートに引っ越す場合にも「借りられない」ということがありますので注意が必要です。

時間を持て余してしまう

デメリットの3つ目は、時間を持て余してしまう点です。今まで忙しい毎日を過ごしていた反動もあり、突然自由な時間が増えると、時間を持て余してしまいます。

やりたいことや目標などが明確に定まっていない場合は、社会との関わりも薄くなり、孤独感に苛まれることもありますので気をつけましょう。

再就職のハードルが上がる

デメリットの4つ目は、再就職のハードルが上がることです。さまざまな理由から「もう一度働きたい」と考える人は少なくありません。

例えば、資金面で不安になった際に、再就職を考える方もいます。しかし、年齢制限を設けている企業が多いため、なかなかスムーズに決まることは難しいのです。また、ブランク期間が長いことは企業にとってデメリットとなるため、採用されにくくなるでしょう。

周囲との関係が悪化することも

デメリット5つ目は、周囲との関係が悪化するケースもある点です。今までは、1日の大半を職場で過ごし、休日に家族と過ごすのが一般的だったはず。

しかし、退職後は24時間家族と過ごすことになります。顔を合わせない時間があるからこそ、うまくバランスを取れているという家庭は多いものです。

アーリーリタイア後は、お互いのストレスが溜まってしまったり、相手の悪い部分にばかり目が行くなどすることもあります。「これから第二の人生を楽しもう」と思っていた矢先に、家族との関係が悪化してしまうケースも珍しくありません。

アーリーリタイアをする際に気をつけるポイント

最後に、アーリーリタイアをする際に、事前に気を付けておきたいポイントについて紹介します。ポイントは大きく分けて3つです。

  • 早期優遇退職があるかどうか
  • 貯蓄額は目標金額に達しているか
  • 今後の支出額と収入額のシミュレーション

ひとつずつ見ていきましょう。

早期優遇退職があるかどうか

ポイントの1つ目は、自分が勤めている会社に、早期優遇退職の制度があるかどうかです。早期優遇退職とは、退職金を割増で支給してもらえたり有給休暇を買い上げてもらえる制度になります。

アーリーリタイア後は、退職する年齢にもよりますが、多額の資金が必要になることは間違いありません。早期退職することで、退職金を割り増ししてもらえるかどうかは非常に重要なポイントです。

貯蓄額は目標金額に達しているか

ポイントの2つ目は、貯蓄額が目標金額に達しているかどうかです。インフレによる物価の上昇に伴い、生活費は1ヶ月に30万円程度は確保しておきたいところ。

その上、病気にかかってしまうこともありますし、想定外の出費にも備える必要があります。

住む場所にもよりますが、45歳で早期退職をした場合に必要となる貯蓄額はおおよそ9700万円です。約1億円近い貯蓄額がなければならないということがわかります。

また、55歳で早期退職する場合に必要な貯蓄額は、おおよそ5600万円です。45歳に比べると、かなりハードルは下がりますが、それでも5000万円以上の資金が必要です。

因みに、この数字は「1人あたり」のものとなっていますので、家族の生活も考えた場合にはさらに大きな資金を確保しなければならないでしょう。

今後の支出額と収入額のシミュレーション

ポイントの3つ目は、今後の支出額と収入額のシミュレーションをしっかりとしておく点です。上記で、年齢別の大まかな必要貯蓄額について解説しましたが、人によって「やりたいこと」や「目標」などが異なります。

必然的に必要になる資金の額も変わってくるでしょう。事前に、今後の支出を洗い出し、年金などの収入を計算しておくことが重要です。また、万が一の事態に備えて、日頃から生活費をできるだけ抑えることも大切になります。

まとめ|アーリーリタイアは資金の確保だけでなくライフプランを明確にすることが重要

今回の記事では、アーリーリタイアの意味やFIREとの違い、メリット・デメリットなどについて詳しく解説してきました。

早期退職する年齢にもよりますが、かなり多くの資産が必要になることがわかりましたね。仕事の責任や人間関係のストレスから開放されるというメリットがある一方、金銭面で不安になったり社会的信用が低下してしまうなどのデメリットもありました。

アーリーリタイアするには、資金面での余裕ももちろん重要ですが、明確な目標や目的を持つことも大切です。

ライフプランが定まっていなければ、時間を持て余してしまったり孤独感に苛まれてしまうケースも少なくありません。事前にしっかりとライフプランを立てて実行することが成功への秘訣です。

最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。

監修者情報

板井 理
板井 理

2018年度公認会計士試験に合格後、EY新日本有限責任監査法人札幌事務所に入社、その後3年間法定の会計監査業務に従事。
2022年に退職し、2023年に共同代表である笹本 拓実と株式会社PASONを設立。代表取締役に就任し、小規模M&Aに特化したマッチングプラットフォームサービス「PASON」を運営している。