キャピタルゲインとは?インカムゲインとの違いやメリット・デメリットも解説!
最終更新日:2024-03-30「キャピタルゲインとインカムゲインって、どんな違いがあるの?」「キャピタルゲインとインカムゲインはセットで聞く言葉だけど、詳しい意味がわからない」とお悩みの方も多いのではないでしょうか?
資産運用や投資を行う際に、よく耳にする言葉ですが、その内容やそれぞれの特徴などについては理解していない部分も多いはずです。
キャピタルゲインとインカムゲインには、それぞれメリットやデメリットがあり、人によって向き不向きもあります。
そこで今回の記事では、キャピタルゲインの意味やインカムゲインとの違い・キャピタルゲインとインカムゲインのメリットやデメリットについて詳しく解説していきます。
キャピタルゲインやインカムゲインを深く知ることができる内容となっていますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
キャピタルゲインとは?
そもそもキャピタルゲインとは、投資や株式・債券や不動産などの保有している資産を売却したときに得られる利益のことを指しています。買ったときと売ったときの差益のことです。
例えば、証券を購入するために証券口座を開設します。この開設した口座を利用して、株式を購入することが可能です。その口座で、50万円の株式を購入したとします。
そして、何ヶ月か経過して、購入していた株式が55万円になりました。そこで、50万円で購入した株式を55万円で売却。この場合、得をした「5万円」がキャピタルゲインとなるのです。因みにこのとき、50万円で購入した株式が、何ヶ月か経過した後に45万円になってしまうこともあります。
「これ以上、損をしたくない」と考えて、50万円で購入した株式を45万円で売却。その差は「5万円の赤字」です。これは「キャピタルロス」と呼ばれています。
インカムゲインとは?
キャピタルゲインとペアで使われることの多い「インカムゲイン」とは、どのような意味を持っているのでしょうか?
キャピタルゲインが、株式や不動産・仮想通貨などを売却して獲得できる利益だということに対して、インカムゲインは「資産を持ち続けたまま得られる利益」のことを指しています。
例えば、FXのスワップポイントや銀行に預けた預貯金の利息・株式を購入した際の配当金などです。
キャピタルゲインとインカムゲインの違いとは?
キャピタルゲインとインカムゲインには、大きく分けて2つの違いがあります。
- 保有している期間
- リスクの大きさ
ひとつずつ確認していきましょう。
キャピタルゲインとインカムゲインの違い①:保有している期間
キャピタルゲインとインカムゲインの違いとして最初に挙げられるのが「保有している期間の違い」です。そもそも、キャピタルゲインの目的は「購入したときよりも高くなったときに売ること」を目的にしています。
売却することが前提となっているため、保有している期間が短くなりがちです。一方でインカムゲインは、資産を持ち続けることによって利益を獲得していくもの。インカムゲインでは、資産の長期保有が一般的となるでしょう。
キャピタルゲインとインカムゲインの違い②:リスクの大きさ
キャピタルゲインとインカムゲインの違い、2つ目は「リスクの大きさ」です。キャピタルゲインでは、短期間で大きな利益を得ることも可能になっています。
株式や投資によって、わずかな時間で何倍もの利益を生み出すこともあるのです。大きな利益が瞬間に売却できれば、少ない資金でも大きな利益を期待できる方法。
しかし、それと同時に「大きなリスク」も理解しておかなければなりません。株式が大暴落して、予想もしていなかった損失を生む可能性もあります。
一方でインカムゲインは、瞬時に大きな利益を期待することはできない分、コツコツと地道に資産を増やしていく方法です。リターンは大きくありませんが、リスクを最小限に抑えることができるでしょう。
キャピタルゲインのメリットとは
キャピタルゲインには2つのメリットがあります。
- 短い期間で大きな利益を生む可能性を秘めている
- 投資初心者であっても、理解しやすい方法である
順番に確認していきましょう。
キャピタルゲインのメリット①:短期間で大きな利益を生む可能性を秘めている
キャピタルゲインの1番大きなメリットと言われているのが「短期間で大きな利益を生む可能性がある」点です。
値動きの大きい株式を「安値」で購入して「高値」になったタイミングで売却することを繰り返せば、時間をかけずに大きな利益を手にすることもできます。
キャピタルゲインは「ハイリスク・ハイリターン型」に分類されており、資金が少ない場合でも、大きな利益に期待できる資産形成となっているのです。
キャピタルゲインのメリット②:投資初心者であっても、理解しやすい方法である
キャピタルゲインの2つ目のメリットは、投資初心者であっても、理解しやすい方法だという点。
初心者のときには「投資は難しい」「仕組みが複雑でわからない」と思ってしまう方も多いはずです。しかし、キャピタルゲインを狙って資産形成を行うケースでは「買ったときよりも高値になったら売却する」ことを徹底するだけ。仕組みは至って簡単です。
注意するポイントとしては「購入した時点で、どれだけ値上がりしたら売却するのか」という数値を、自分の中で予め決めておくこと。キャピタルゲインは、短期集中型の方法ですので、ダラダラと保有することなく「何%上がれば売却」と決めておきましょう。
キャピタルゲインのデメリットとは
それでは続いて、キャピタルゲインのデメリットを見ていきます。大きな利益を手にする可能性があるキャピタルゲインですが、実はリスクもおおくなっているのです。
- 安定した利益を求めるのは難しい
- 大きな損失を抱えてしまう恐れがある
- 売却しない限り、利益を手にすることはできない
それではひとつずつ解説していきます。
キャピタルゲインのデメリット①:安定した利益を求めるのは難しい
短い期間で大きな利益を手にすることができるキャピタルゲインですが、思いの外株価が上がらず、売却できずに時間だけが過ぎてしまうことも少なくありません。
株価は「絶対に上がる」「絶対に下がる」という保証がないので、予想が外れることもあり、非常に不安定です。定期的に、安定した利益を求めることは難しいと言えるでしょう。
キャピタルゲインのデメリット②:大きな損失を抱えてしまう恐れがある
キャピタルゲインの2つ目のデメリットは、大きな損失を抱えてしまう恐れがある点です。大きな利益を期待できるのと同時に、大きな損失を抱えてしまうリスクも持ち合わせています。
株式を購入した後に、大暴落が起こる可能性もゼロではありません。株価は、景気だけではなく、自然災害や予測できない新型ウィルスによっても変動を見せるものです。危険と隣り合わせだということを理解しておくことが必要となるでしょう。
キャピタルゲインのデメリット③:売却しない限り、利益を手にすることはできない
キャピタルゲインのデメリット3つ目は、保有しているだけでは利益を得られないことです。つまり、購入後に売却しなければいけません。
例えば「含み益」が大きくなっていても、売却できなければ「利益」とは言えないのです。売却時に初めて「利益額」が確定することになるため、場合によってはキャピタルロスになる可能性も。
得るタイミングを間違えてしまえば、利益が小さくなったり、大きくマイナスに転じてしまうことも考えられます。
インカムゲインのメリットとは
キャピタルゲインのメリット・デメリットを理解できたところで、インカムゲインについてのメリットとデメリットも押さえておきたいポイントです。
- 少額からスタートできるものも多い
- 定期的な利益を獲得できる
- 大きな損失をするリスクが低い
それでは順番に確認していきましょう。
インカムゲインのメリット①:少額からスタートできるものも多い
インカムゲインのメリット1つ目は、まとまった資金を用意できなくてもスタートできる「少額」から始められるものも多い点です。
「数万円」の元手でスタートできるのは、大きな魅力と言えます。REITや不動産投資信託など、数万円から購入できるものも多く、初心者でも無理なく始められるでしょう。
インカムゲインのメリット②:定期的な利益を獲得できる
インカムゲインのメリット2つ目は、資産を保有したままの状態で、定期的な利益を獲得できる点です。
不動産投資を例に挙げると、月々決まった額の家賃収入が見込めます。また株式であれば、保有している株式を手放すことなく、定期的に配当金を得ることができるのです。
銀行に預けている預貯金の場合は、長期的に預けることによって、利息が付くことが挙げられるでしょう。
インカムゲインのメリット③:大きな損失をするリスクが低い
インカムゲインの3つ目のメリットは、大きな損失をするリスクが低いという点です。キャピタルゲインの場合、売却することで得られる利益を目的としていますので、株価が下がってしまうと大きな損益を抱えるケースがあります。
しかし、インカムゲインの場合は、売却を目的としていません。保有している株が値下がりしてしまったとしても、それは通過点に過ぎず、大きな損失をするリスクは少なくなっています。
インカムゲインのデメリットとは
続いては、インカムゲインのデメリットについても解説していきます。
- 短期投資には不向きであること
- 元本割れしてしまうケースもあり得る
それではひとつずつ確認していきましょう。
インカムゲインのデメリット①:短期投資には不向きであること
インカムゲインで利益を得るためには、長い時間が必要になります。元々、長期保有が前提の投資方法となりますので、短期的に大きな利益を得たい場合には不向きです。
また、安定している分、利益額はキャピタルゲインに比べて低いのが特徴。インカムゲインを目的とした投資をスタートさせる際には、長いスパンの計画を立てるようにしましょう。
インカムゲインのデメリット②:元本割れしてしまうケースもあり得る
インカムゲインのデメリット2つ目は「元本割れしてしまうケースも考えられる」という点です。インカムゲインは、安定していてリスクが少ないというメリットがありましたが、元本割れしてしまう可能性もゼロではないことを覚えておきましょう。
インカムゲインでは、保有している株式の配当金や優待を受けられますが、その企業の業績が悪化してしまえば倒産してしまうことも。
リスクが小さく、安全な投資方法とは言っても、さまざまな可能性を考えておく必要があるのです。インカムゲインの投資を始めるときには、慎重に投資先を選ぶようにしましょう。
キャピタルゲインとインカムゲイン、どちらがオススメ?
ここまで、キャピタルゲインとインカムゲインの特徴やメリット・デメリットを解説してきましたが、実際に投資をスタートさせるときにはどちらがオススメなのでしょうか?
これは、個人の考え方や性格によって、どちらが向いているのか?どちらの方法を取ればストレスなく継続できるのか?が異なります。
「長期投資をするつもりはなく、短期集中型の投資がしたい」「リスクがあるのは承知だが、大きな利益を得たい」という人にはキャピタルゲインがオススメです。
投資を行う上で、リスクがセットになることを理解し、チャートのチェックを頻繁に行える人に向いていると言えます。また、まだ知名度の低い新しい株式の将来性を見極められる「先見の明」を持っている方にもキャピタルゲインの方法が合っていると言えそうです。
名前の知られていない会社の株式を保有し、企業が成長した際に売却できれば、大きく利益を出すことができるでしょう。
一方で、投資初心者であったり、投資リスクを最小限にしたいと考えている方にはインカムゲインがオススメ。また、忙しくて、なかなか株価の値動きを確認できない方にも適した方法です。
リターンは何に投資するかによって異なりますが、利息やスワップポイント・優待券や配当金などがメインのため、それほど大きな金額にはなりません。しかし、地道で計画的に資産を増やしていける投資方法と言えるでしょう。
キャピタルゲインとインカムゲイン、どちらも狙える?
キャピタルゲインとインカムゲイン、それぞれの特徴が理解できたところで「両方を実践してみたい」と思った方も多いのではないでしょうか?
もちろん、キャピタルゲインとインカムゲインのどちらも実践することは可能です。例えばFXの場合、ロングでポジションを保有しながら、売却するまでの期間にスワップポイントを獲得し続けることができます。
そして、購入した時よりも高値になった際に売却すれば「キャピタルゲイン」と「インカムゲイン」の両方を実践していることになるのです。
また不動産投資であれば、不動産を所有しながら、入居者からの家賃収入を得ることができます。不動産価格が上昇するまでは、インカムゲインとなる「家賃収入」で利益を出していくのです。
そして、自分が設定した売却額に達したときに不動産を売却できれば、キャピタルゲイン・インカムゲインどちらの利益も手にすることができます。
両方の方法を試してみて、自分にはどちらが向いているのかを確認してみるのもひとつの方法かもしれません。
まとめ|自分に合った投資方法を見つけて、上手に資産運用を行いましょう
今回の記事では、キャピタルゲインとインカムゲインの意味やそれぞれのメリット・デメリット、キャピタルゲインとインカムゲインはどちらがおすすめなのか?などについて詳しく解説してきました。
キャピタルゲイン・インカムゲインそれぞれに長所や短所があり、どちらが良いということはありません。また、人によって「向き・不向き」もありますので、一概にどちらがおすすめとは言えない部分もあるのです。
キャピタルゲインとインカムゲインは、どちらも同時に実践することができる投資方法になっているため、両方試してみて自分に合ったスタイルを見つけることもできます。
また、実践していく中で、どのような株式を購入するのが自分に向いているのかを把握できるきっかけにもなるのです。チャレンジすることによって、今まで見えていなかった側面が見えてきたり、無理なく続けられる方法がわかってくる場合もあります。
利益ばかりに着目せずに、自分に適した投資方法を見つけるようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。