飲食店の運転資金の目安は?資金調達の方法や計算方法を解説!
最終更新日:2024-03-30飲食店の開業を検討した際、併せて考えなければならないのが「運転資金」です。開業するために必要になる資金も、かなりまとまった額になるため、運転資金をどのくらい準備しておけば良いのか気になるところ。
運転資金の目安は「3ヵ月」とも「6ヵ月」とも言われています。どちらが正しい情報なのでしょうか?お店が軌道に乗るまで、ある程度の時間を要することもありますので、しっかりと準備をしておきたいものです。
そこで今回の記事では、飲食店の運転資金の目安や足りなくなった場合の資金調達方法・運転資金の種類などについて詳しく解説していきます。飲食店の運転資金でお悩みの方の参考になると幸いです。
目次
運転資金とは?
そもそも、運転資金とはどういったものなのでしょうか。運転資金とは、会社を運営していく上で必要となる費用のことを指しています。
飲食店においての運営資金は、人件費や光熱費はもちろん、材料を仕入れる費用や賃貸物件であれば「家賃」なども含まれることになるでしょう。
また、通信費や消耗品などの費用も毎月かかってきますので、事前にしっかりと計算しておくことが重要です。
運転資金は、大きく分けて2つに分類されています。
- 固定費(毎月同じだけの費用がかかるもの)
- 変動費(売上などによって変動するもの)
固定費の代表例は、家賃やリース料です。開業当初は認知度も低く、なかなか思うような売上が期待できない可能性もあります。しかし、固定費は必ず発生しますので、必ず準備しておきましょう。
変動費の主なものは、材料費や仕入れにかかる費用・通信費などが挙げられます。1人でも多くの人にお店を知ってもらうための「広告費」なども必要になってくるでしょう。
店舗開業の際に借入金がある場合には、運転資金とは別に返済する費用も用意することになりますので、注意しなければなりません。
飲食店の運転資金の目安は3ヶ月分?6ヶ月分?
それでは、飲食店の運転資金の目安について確認していきます。運転資金の目安は「3ヶ月」や「6ヶ月」などと言われていますが、実際のところ何ヶ月分準備しておくのが妥当なのでしょうか。
もちろん、それぞれの店舗によって異なりますが、飲食店の場合は「6ヶ月分」の運転資金を用意しておくのが安心です。これは、お店の経営が軌道に乗るまで、おおよそ半年程度と言われているのが理由となっています。
開店当初から、理想的な売上を上げられる可能性はかなり低く、どんな人気店であっても半年程度はうまくお金が回らないといったケースが多いのが現状です。
上記でも解説したように、経営がうまくいかない場合でも、固定費は必ず必要になります。借入金があるときには、返済に充てる費用も確保しなければなりません。
飲食店を成功させるためには、最低でも6ヶ月分の運転資金を準備しておく必要があると言えるでしょう。
飲食店の運転資金が足りない!資金調達方法とは?
「開業する際に、予定よりお金がかかってしまった」「運転資金を計算に入れていなかった」などの理由から、いざ経営をスタートさせたときに、運転資金不足に陥ることもあるかもしれません。
運転資金は、できるだけ多く準備しておく方が安心ですが、それが難しいというケースもあるでしょう。運転資金が足りない時には、どのような資金調達方法があるのでしょうか。
- 銀行などの民間金融機関から融資を受ける
- 政府系の金融機関から融資を受ける
- ファクタリングの利用
- クラウドファンディングの利用
- 補助金を活用する
それではひとつずつ確認していきましょう。
民間金融機関からの融資
資金調達方法の1つ目は、銀行などの民間金融機関から融資を受けることです。都市銀行や信用金庫・地方銀行などから運転資金を調達します。
1番手軽にできる方法に思えますが、この方法はハードルが高く、融資を受けられない可能性もあるので注意が必要です。
まだ、実績のない店舗ですので、貸す側としては「信用できない」と判断するかもしれません。審査に通りにくく、うまく審査を通過したとしても、大きな金額は融資してもらえない可能性が高いでしょう。融資までの期間は、おおよそ10日〜2ヶ月程度となっています。
政府系金融機関からの融資
政府系金融機関とは、日本政策金融公庫や日本政策投資銀行を始めとする5つから構成されています。日本の経済発展などのために、自己資金不足をサポートしてくれる心強い味方です。
日本政策金融公庫の「新創業融資」を活用すれば、飲食店を開業する際に開業資金と合わせて運転資金も一緒に借りられます。
融資までの期間は、おおよそ3週間〜2ヶ月程度となっており、保証人や担保が不要である点が最大のメリットです。また、最高で3,000万円の資金調達ができるケースもありますので、ぜひ参考にしてください。
ファクタリングの利用
3つ目の資金調達方法は、ファクタリングを利用することです。ファクタリングは、非常にスピーディーに資金を確保できるため、早急に運転資金が必要な場合に最も重宝するでしょう。
また、銀行などからの融資が難しいと判断されたときにも役立ちます。個人事業主でも利用できますので安心です。
ただし、デメリットもあるので気をつけなければなりません。ファクタリングは資金調達までの期間も短く、多くの経営者が利用できるメリットがありますが、その分手数料が割高です。中には、悪質な業者もありますので、十分注意しましょう。
クラウドファンディングを利用する
資金調達方法の4つ目は、クラウドファンディングを利用することです。クラウドファンディングとは、インターネット上で自身の活動をアピールし、それに共感してくれる人(支援者)から資金を募る方法のことを指しています。
そこで支援をしてくれた人は、今後の常連のお客様になってくれる可能性もあるということです。インターネットで店舗の魅力を最大限アピールし、資金調達だけでなく、多くのファンを獲得したいところ。返済義務もなく、使い道も自由なため、チャレンジしてみる価値はあります。
しかし、覚えておきたいデメリットも。「今すぐに運転資金が必要」という場合には適していません。クラウドファンディングのページを立ち上げてから募集をかけて、募集期間終了後まで資金を調達できない仕組みとなっています。また、実施方式によっては目標金額に達しなかった場合、資金調達ができないことも。
クラウドファンディングは、主に「購入型」と「寄付型」がありますので、事前にしっかりと計画を立てなければなりません。
補助金を活用する
資金調達方法5つ目は、補助金を活用することです。国や自治体が、事業を始めた人に向けて、さまざまな支援制度を打ち出しています。それぞれ対象となる条件がことなりますので、自分に合ったものを見つけることが重要です。
また、補助金を活用するためには、たくさんの書類や手続きが必須となりますので準備に時間と手間が掛かる点も考慮しておきましょう。開業の際に活用できる補助金については、こちらの記事をチェックしてみてください。
運転資金の計算方法とは?
運転資金には計算方法があり、開業する際にしっかりと計算しておく必要があります。運転資金の計算方法は、次の通りです。
売掛金+棚卸資産(在庫)-買掛金=運転資金
まず「売掛金」とは、取引において、取引先から未だに回収できていない代金です。飲食店での「在庫」は「仕入れた材料」で、まだお客様に提供できていないものになります。
そして「買掛金」とは、取引先業者から仕入れをして、その代金を支払っていない分です。またこの他にも、飲食店においては賃料や人件費・光熱費なども加わってきますので、事前に計算しておく必要があるでしょう。
このことからもわかるように、これから入る予定の金額から、この後支払わなければいけない金額を引くことで運転資金が導き出せます。
飲食店開業を検討する際はM&Aもおすすめ!
これから飲食店を開業しようと検討している方は、まとまった開業資金だけでなく、半年分程度の運転資金も準備しなければならないという現実に頭を悩ませているかもしれません。
「思っていた以上に費用がかかってしまう」「資金調達にも時間がかかり、審査に通るか不安」という方も多いでしょう。
飲食店の開業を検討した際には、M&Aもおすすめです。M&Aで既に軌道に乗っている事業を買い取ることができれば、開業費用を大幅に節約できるだけでなく、取引先や従業員を見つける手間も省けます。
新たに飲食店をオープンする時と比較して、知名度や認知度もありますし、既に常連のお客様がついているケースも多いものです。
PASONはM&Aに特化したマッチングプラットフォームを展開しています。
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まとめ|飲食店の運転資金の目安は6ヶ月!資金に余裕を持つことが成功への鍵
今回の記事では、飲食店の運転資金の目安や計算方法・資金調達方法などについて詳しく解説してきました。
運転資金は、目安として6ヶ月分程度は準備しておく必要があります。
開業費用もかさむので、初期費用が大きくなってしまうことは避けられません。開業後、半年程度は不安定な経営になるケースが多いため、少しでも多くの運転資金を用意しておくことが成功への鍵となります。
今回紹介した資金調達方法などを参考にして、いざという時のために備えておくことが大切です。
迷ったときには、M&Aを視野に入れてみるのもおすすめ。M&Aで既に営業している店舗を買収できれば、初期費用を最小限に抑えることができ、設備投資や内装にかかる費用も節約できます。
従業員や取引先を確保する時間と手間も省けることも大きな魅力です。
自分に合った方法を見つけて、飲食店経営を成功させましょう。最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。