起業する際に活用できる補助金とは?助成金との違いやメリット・デメリットを解説!
最終更新日:2024-03-30「これから事業を始めようと考えている」
「起業する際に活用できる補助金には、どのような種類がある?」
起業を検討したときに活用できる補助金があれば、資金調達の問題を解決してくれる大きな糸口になります。
しかし、補助金にはさまざまな種類があるため、どの補助金が効率的に活用できるのか悩んでしまうでしょう。金額が少ない上に、時間と手間ばかりがかかってしまうものもあるため、注意しなければなりません。
補助金を上手に活用するためには、効率的なものを選びたいところです。また、助成金と補助金に違いはあるのでしょうか?
そこで今回の記事では、起業する際に活用できる補助金や助成金との違い、補助金を活用する上でのメリット・デメリットについて詳しく解説していきます。これから起業をお考えの方の参考になると幸いです。
目次
創業補助金とは?
そもそも、創業補助金とはどのようなものでしょうか?創業補助金とは、これから起業しようと検討している方を支援する補助金施策です。起業を行う際に必要となる資金の一部を、国や地方公共団体が補助してくれる制度のことを指しています。
「創業補助金」と呼ばれていましたが、2018年以降は「地域創造的起業補助金」という名称に変更されました。地域創造的起業補助金の主な目的としては、日本の経済状況を活性化させることとなっています。
創業補助金は、起業資金として補助されるものですが、起業前に受け取れるわけではありません。まずは、自己資金で起業するための費用を用意する必要があるので注意しましょう。
受け取れるのは、申請後に認可がおりてから数ヵ月後となります。創業補助金は、外部資金調達があるケースでは「50万円以上〜200万円以内」で、外部資金調達がないケースでは「50万円以上100万円以内」です。
補助金と助成金の違いとは?
補助金と混同しやすい言葉の中に「助成金」があります。補助金と助成金の違いはどのようなところなのでしょうか。
大きな違いは「管轄」の違いになります。まず、補助金の管轄に関しては、地方自治体や経済産業省です。一方で助成金の管轄は、厚生労働省となっています。
目的の面においても違いがあり、補助金が「設備投資」または「事業の拡大」などを支援することに対し、助成金は「雇用を促進する」ことや「職場環境の改善」などに適用されるのが特徴です。
また、補助金は予算に制限があるため、申請しても認可が降りない可能性もあります。必ず受け取れるというわけではないということです。給付までに、長い期間を要する点や、申請できる期間が短い(春先の1ヵ月程度)であることも覚えておきましょう。
助成金の申請は、随時募集されており、対象となれば必ず支給してもらえます。補助金と比べて、ハードルが低いため、活用しやすい制度と言えるでしょう。
創業補助金の対象者とは?
創業補助金を申請するには、どのような条件があるのでしょうか。申請条件は、地方自治体などによって異なりますが、共通項目は大きく分けて次の通りです。
- 税務申請義務を怠っていない人
- 認定市町村や認定創業支援事業者から創業支援を受ける人
- これから創業(起業)を行う個人、創業(起業)から半年〜5年以内の法人※管轄により異なります
上記からもわかるように、個人で起業する際には、創業前に申請できる点がポイントです。また、管轄によって申請条件の詳細が違いますので、事前に確認を行いましょう。
補助金・助成金の種類とは?
補助金や助成金を活用することができれば、起業するにあたって大きなサポートとなります。しかし、補助金・助成金は、年間で約7,000種類以上も発表されているため、自分に合ったものを選ぶだけでも大変な作業です。
補助金・助成金は、大きく分けると4つの種類があります。
- 経済産業省系
- 厚生労働省系
- 自治体独自のもの
- その他
経済産業省系には「ものづくり補助金」「小規模事業者持続化補助金」などがあります。特徴は、募集が年に数回行われるものが多く、回ごとに採択率が異なってくるので注意が必要です。予算の都合上、早めに申し込むと採択率が高くなり、後半になるにつれて審査が厳しくなる傾向があります。
厚生労働省系は「キャリアアップ助成金」「人材確保等助成金」などがあり、条件さえ満たしていれば必ず支給してもらえるのが特徴です。
自治体独自のものは、それぞれの市区町村で補助金や助成金を実施しているケースがあります。ただし、自治体によって差が激しく、積極的に施策を行っているところもあれば、全く実施されていない地域があるのも事実です。事前に各自治体で確認することをおすすめします。
その他、上記の3つ以外にも、大手企業や財団などが独自で行っている補助金もあります。ハードルは高くなりますが、審査に通れば大きなチャンスとなることに間違いありません。
起業の際に創業補助金を活用するメリット
起業をする際に創業補助金を活用するメリットについて解説していきます。メリットは大きく分けて2つです。
- 返済不要で資金調達が可能である点
- 信用度が向上する
ひとつずつ確認していきましょう。
返済不要で資金調達が可能である点
創業補助金の1番のメリットは、返済が不要であることです。起業するときにはまとまった資金が必要となりますので、返済義務なく資金調達できる点は、最大の魅力と言えるでしょう。ただし、使い方には制限が設けられていますので注意が必要です。
信用力が向上する
メリットの2つ目は、信用力が向上する点です。補助金や助成金を受け取るためには審査があるため「厳しい審査基準を通過した信頼できる会社」であることが証明されます。
例えば、取引を開始する取引先からの評価も高まりますし、再度資金調達を検討した際にも審査に通りやすくなるでしょう。
起業の際に創業補助金を活用するデメリット
創業補助金を活用する上でのデメリットについて解説します。デメリットは大きく分けると2つです。
- 書類作成に時間と手間がかかる
- 受給できるまでの期間が長い
ひとつずつ確認していきましょう。
書類作成に時間と手間がかかる
デメリットのひとつ目は、書類の作成に時間と手間がかかる点です。事業計画書の作成はもちろん、さまざまな申請書類を作らなければなりません。申請期間が設けられているものが多いので、起業準備と並行して行うことは、負担になる可能性もあります。
万が一、期限内に提出できなかったり、書類作成に不備がある場合には交付自体が取り消しとなってしまうケースも。また、無事に審査に通過して補助金を受け取った後も、5年間は事業の状況について報告しなければならないという義務があるのがデメリットと言えるでしょう。
受給できるまでの期間が長い
デメリットの2つ目は、受給できるまでの期間が長いことです。すぐに起業資金が必要な場合には、不便に感じてしまうかもしれません。この場合、銀行などの金融機関から融資を受けるのがおすすめです。補助金や助成金の審査に通った際には、それを担保として融資が通りやすくなっています。
それぞれの補助金によって支給されるまでの日数は異なりますが、一般的には3ヵ月〜5ヵ月程度です。
起業をお考えの方はM&Aもおすすめ!
起業を検討する際に、方法のひとつとして「M&A」を活用した起業もおすすめです。M&Aとは、企業の合併や買収のことを指しています。詳しい内容に関しましては、こちらの記事をチェックしてみてください。
M&Aでの起業が増えてきている背景には、経営者の高齢化が進み、事業を続けられなくなるケースが増加していることが挙げられます。また、深刻な後継者不足に悩まされていることも要因です。
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M&Aによる起業のメリット
M&Aを活用して起業するメリットは、大きく分けて3つです。
- 短期間かつ小さいリスクで起業できる
- ゼロから起業するよりも手間がかからない
- 資金調達がスムーズである
順番に見ていきましょう。
短期間かつ小さなリスクで起業できる
メリットの1つ目は、ゼロから起業するときに比べて、短期間かつ低リスクで起業ができることです。自ら事業を立ち上げる場合には、事前に準備・計画することも多くなります。上記で解説した通り、補助金や助成金の申請一つでも、かなりの時間を要してしまうのです。
しかしM&Aでは、元々運営していた企業を買収して引き継ぐことになりますので、経営を始めるのもスムーズでしょう。
また、ゼロから起業した場合には、今後経営がどうなるのか全く見通しが立ちません。失敗するリスクも大きいのが現実です。その点、M&Aで経営が軌道に乗っている会社を引き継ぐことに成功すれば、リスクの少ない起業が実現できます。
手間がかからない
メリットの2つ目は、ゼロから起業を行うよりも手間がかからないことです。自分で会社を立ち上げる場合には、手続きや申請書類が煩雑なことはもちろんのこと、従業員の確保やオフィスの準備など多くの時間と手間がかかります。
しかしM&Aでは、既存の従業員が働いているため、人材の確保に時間を割く必要もありません。また、新たに取引先を見つける手間もかからず、起業する際に必要な手続きも省くことができるでしょう。
資金調達がスムーズである
メリットの3つ目は、資金調達がスムーズであることです。自身で会社をスタートさせた直後は、まだ実績や信用が低く、資金調達にも苦労します。時間をかけて事業計画書を作成し、今後の展望を説明しても、簡単に信用を得ることはできないものです。
M&Aで、既に実績や知名度のある企業を買収することができれば、信用力が高いため資金調達もスムーズになります。元々、お世話になっている金融機関などがあるケースも多いため、信頼を得やすいと言えるでしょう。
まとめ|起業する際に役立つ補助金は多い!M&Aでの起業も視野に入れよう
今回の記事では、起業を検討したときに役立つ補助金制度や補助金と助成金の違い、メリット・デメリットについて詳しく解説してきました。
一言で「補助金」といっても、その種類は多岐に渡り、申請期間や採択率にも違いがあることが分かりましたね。うまく活用することができれば、起業家にとって大きな味方となることは間違いありません。
しかし、補助金・助成金どちらも「後払い」ですので、まずは自分で費用を用意しなければならないというデメリットもありました。
申請後、受給できるまでに、平均3ヵ月〜4ヵ月はかかりますので、早急に資金を調達できない点は注意しておきましょう。
M&Aでの起業は、たくさんのメリットがあります。起業におけるリスクを最小限にし、スムーズに経営を始めたいとお考えの方は、M&Aでの起業も視野に入れておくのがおすすめです。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。