資金繰りが悪化してしまう7つの原因とは?効果的な改善策を解説!
最終更新日:2024-05-31会社を経営していく上で、もっとも注意しなければならないと言っても過言ではないのが「資金繰り」です。
そもそも資金繰りとは、会社の「収入」と「支出」を管理して、お金の流れをコントロールすること。
2020年の統計によると、日本企業において、倒産した会社の「約47%」が黒字倒産だったという現状があります。
これは何を意味しているのか?
「資金繰りがうまくいかなかった」という結果です。
順調に売上を伸ばしていた場合でも、資金繰りに失敗してしまうと、たちまち経営は傾いてしまいます。
本記事では、資金繰りが悪化してしまう理由や資金繰りを改善する方法について詳しく解説していきます。
目次
資金繰りが悪化してしまう7つの原因
資金繰りが悪化してしまう要因には、どのようなものがあるのでしょうか。
何ヶ月か先に、資金不足が想像できる状態であれば、それは既に「資金繰りが悪化」している状態です。
売上が好調な時でも、油断できませんので、しっかりとチェックしましょう。
- 赤字経営が続いている
- 売掛金の回収が遅れている
- 売上が一気に上がった場合
- 過剰な在庫を抱えている
- 取引先の倒産によるもの
- 大規模な投資を行っている
- 借入金の返済が追いつかない
順番に確認していきましょう。
赤字経営が続いている
資金繰りが悪化してしまう理由の1つ目は、赤字経営が続いていることです。
赤字経営とは、支出が収益よりも上回っている状態のこと。
例えば、決算月に赤字だったとしても、それが一時的なものであれば大きな問題にはなりません。
しかし、赤字経営が長期間続いてしまうと、取引先への支払いだけでなく固定費を払う資金さえ底をついてしまう可能性もあります。
売掛金の回収が遅れている
2つ目の要因は、売掛金の回収が遅れてしまうことです。
回収できていない売掛金が重なると、会社経営に大きなダメージを与えることになりますので注意しなければなりません。
また、何らかの理由で、入金が遅れてしまう取引先が出てくるケースもあります。
売掛金の回収遅れや入金遅れが重なると、一気に資金繰りの悪化に陥ってしまうのです。
自社にも「支払いの期日」があるため、売掛金の早期回収や貸倒れのリスクを未然に防ぐ対策を取りましょう。
売上が一気に上がった場合
企業としては嬉しいはずの「売上の上昇」は、メリットだけではありません。
実は、急激な売上の増加は、資金繰りの悪化に直結してしまいます。
売上が一気に上がったことによって、仕入れに必要な資金やコスト・人件費も急増するのです。
売上代金が回収できていれば問題ありませんが、タイミングが合わなければ、たちまち手元の資金が足りなくなるケースもあるので注意しましょう。
過剰な在庫を抱えている
必要以上の過剰な在庫を抱えることは、資金繰り悪化の原因となります。
売上を見越して商品を仕入れたものの、計画通りに売れるという保証はありません。捌き切れない滞留在庫となり、保管場所の確保だけでも、予想外の出費となる可能性もあるのです。
もちろん、仕入れにも大きな費用がかかってしまいます。在庫の処分には時間がかかるケースが多くなるため、資金の回転率が悪化してしまうでしょう。
取引先の倒産によるもの
5つ目の要因は、取引先の倒産によるものです。
万が一、取引先が倒産してしまえば、売掛金の回収は非常に難しくなってしまいます。
倒産を予測することは簡単ではありませんが、経営者や従業員が変わったり、長年続けてきた支払い方法や期日の変更があった場合には注意が必要です。
そのような事態を未然に防ぐためにも、早めの売掛金回収や、取引先と密にコミュニケーションを取ることを忘れないようにしましょう。
大規模な投資を行っている
利益に見合わない投資を行っている場合も、資金繰り悪化を招く要因となります。
会社の拡大・成長のために、設備投資や優秀な人材の採用などに資金を費やすことは当然です。
しかし、売上に見合わない投資を行ってしまうのは危険。「この設備を導入すれば、このくらいの売上になるだろう」と予測していても、思ったほどのリターンを得られない場合も少なくありません。
大規模な設備投資などを行う際には、事前準備や入念な分析などを行うようにしましょう。
借入金の返済が追いつかない
金融機関への借入金が大きい場合、売上が伴っていなければ、返済が追いつかなくなってしまいます。
どうしても支払いが難しいという場合には、事前に金融機関に足を運んで、返済期限の延長を相談してみるなどの対策を取りましょう。
資金繰りの悪化を改善する4つの方法
資金繰りの悪化に気づいたら、早めの対応が必須です。後回しにしたり「そのうちに回復するだろう」という安易な考えだと、状況は悪化し、手遅れになってしまうでしょう。
ここからは、資金繰りの悪化を改善する4つの方法を紹介していきます。
- 売上を伸ばすための取り組み
- 在庫の最適化を図る
- 経費やコストの削減
- 資産の売却を検討する
ひとつずつ解説していきます。
売上を伸ばすための取り組み
1つ目は、売上を伸ばすために新たな取り組みを始めることです。売上が拡大できればキャッシュフローの改善へとつながり、支払い能力が回復します。
それだけでなく、顧客や取引先・金融機関からの信頼度も向上するため、新たなチャンスを手に入れるきっかけにもなり得るのです。
在庫の最適化を図る
2つ目は、在庫の最適化を図ることです。上記でも触れたように、過剰な在庫を抱えていると、保管場所の確保だけでもかなりの費用になってしまいます。
販売期限が設けられている商品であれば、最悪の場合、廃棄しなければなりません。これでは、大きな損失につながってしまいます。
在庫の最適化を徹底することができれば、運転資金の回転が良くなり、資金繰りを改善することが可能です。保管場所を確保するコストも削減できます。
定期的な棚卸しを行い、過剰在庫を作らないようにしましょう。
経費やコストの削減
経費やコストの削減も、資金繰り悪化の改善に効果的です。経費削減に有効な方法として「損益計算書の分析」が挙げられます。
損益計算書の分析を行なえば、売上や利益に結びついていない経費を確認することが可能です。それらを優先的に排除していきましょう。
売上や利益を維持したまま、不要な経費の削減を実現できれば、キャッシュフローの改善につながっていきます。
資産の売却を検討する
4つ目は、資産の売却を検討することです。
資産の売却は、まとまったお金が確保できる場合が多いため、資金繰りの改善に効果的な方法となっています。
売却できる資産として、土地や建物・有価証券や車両などがあり、いざという時のキャッシュの確保に最適です。
利益につながっていない資産がある場合には、早めに売却することによって、コストの削減にもなるでしょう。
資金繰りが改善できない場合にはM&Aを検討するのもおすすめ
「色々試してみたけれど、資金繰りが改善しない」「このまま倒産させるしかないのだろうか」とお悩みの経営者の方も多いかもしれません。
資金繰りの改善がうまくいかないときには、M&Aを検討してみるのもおすすめです。
M&Aを行うメリットは、後継者不足を解決できることや従業員の雇用を守れること、取引先の維持などさまざま。それだけでなく、まとまった売却益を得られるため、引退後の生活資金に充てることができます。また、事業の拡大や発展にも期待できる点が大きな魅力です。
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まとめ|資金繰りの改善には早めの対応が重要
本記事では、資金繰りが悪化してしまう7つの要因や効果的な改善策について、詳しく解説してきました。
資金繰りが悪化する原因には、売掛金の回収遅れや大規模な投資・過剰在庫など、さまざまなものがありましたね。また、企業にとっては嬉しいはずの「売上の急増」によっても、資金繰りが悪化する可能性があるため注意が必要です。
資金繰りの改善で1番気をつけなければならないポイントは「早めの対応」となります。
「このくらいなら大丈夫」「通常業務が忙しいので、後回しにしよう」という気持ちがあると、あっという間に手遅れになるケースも珍しくありません。すぐに対応すれば、改善できる場合もあるので、常にキャッシュフローを意識するようにしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。以上、参考になると幸いです。